美容皮膚科で働く看護師の仕事の一つに、患者のカウンセリングがあります。肌の悩みという繊細な事情の聴きとりをする際は、患者を傷つけないよう細心の注意が必要です。患者がリラックスして肌の悩みを話せるよう、巧みに会話をリードする高度のコミュニケーションスキルが求められます。

また、看護師が単独で美肌や脱毛の施術を施すことが多いので、注射や脱毛の技術を習得することも大切です。美容皮膚科で行う注射は美肌やシワ取りに効くボトックス注射やプラセンタ注射がメインで、こうした皮下注射は静脈注射より強い痛みを伴います。
そこで看護師は、注射の際に患者の痛みを和らげたり気を紛らわせたりするような工夫を凝らさなければなりません。こうした場面でも、細やかな気遣いをする繊細さが求められるでしょう。
美容皮膚科を訪れる患者は、美容の悩みを持っているものの、命にかかわる病を抱えているわけではないので、看護師のホスピタリティに対しても、厳しい目で観察していることが多いと言われています。

さらに、美容皮膚科では美容手術も行うため、手術看護師としてのスキルも身につけなければなりません。
オペ看と呼ばれる手術看護師は、麻酔をはじめとする手術用具の準備から、手術中の執刀医の補助と術後のケアまで担当します。美容皮膚科の看護師には、できるだけ短時間でテキパキと手術業務をこなす器用さが欠かせません。
アフターケアについても、看護師が直接携わり、術後のトラブルがあれば丁寧に対応します。施術による腫れや痛みについても、適切な処置を施せる医療スキルが必要です。

このように、美容皮膚科勤務は患者の心身へのきめ細かな気配りが求められるデリケートな仕事である分、看護師としてのやりがいやスキルアップに大きく直結しています。